精製と未精製で脂肪酸組成は変わる?
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こんにちは!
またまた精製&未精製ネタです。
精製と未精製では脂肪酸組成が違いますよね、って質問を意外とよく受けます。
答えは、精製してもしなくても、組成は一緒です。
変なたとえですが、りんご🍎を洗っても磨いても、
泥だらけでもりんごはりんごです。
特別な精製をしているもので、例えばタンパク質を除去したりはありますが
(アレルギー物質が極力少なくなる)
脂肪酸組成は変わらないです。
脂肪酸組成が変わっている加工の例としては
✔︎水添加工したもの
水添とは、水素を添加するわけですが、そうすることで
二重結合(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸)が外れ、ステアリン酸になるのです。
ステアリン酸が増えると、液状だった油脂がバター状になります。
形状を含めてすっかり違ったものになります。
シアバターはステアリン酸が多めなので固形なのです。(えっ!)
なので、石鹸も硬くなり、泡立ちもやや落ちるのです。(そうだったのか!)
水添は水素を使う反応なので、特別な設備が必要で手作りではできません。
(水添はトランス脂肪酸の除去に利用されていたり、
植物油をバター状にする技術として食用でも利用されています)
✔︎分画
その成分を分けること。です。
色々な仲間わけがありますが、簡単なところからいうと、
オイルでよく利用される“分画“は融点が高いものと低いものとを分ける。
(液状の部分と個体の部分で分ける)
マンゴから得られる油脂分は固形なのですが、
そこから液状成分を取り出せば、それはマンゴオイルです。
(ステアリン酸とか、減らしている)
→高融点のものを取り除くと液体になります。
同じような原理を利用したもので
冬季など寒い時期にオイルが析出したり、固まることを防ぎたい時に
ウィンタリングという処理をしているものがあります。
これも、高融点(個体になりやすいもの)の脂肪酸を除去しています。
これも分画の一種です。
Mon Bijouxで、夏に取り扱っているハードシアバターは
逆に低融点の脂肪酸を除去しています。
そうすると暑くても、固形でいてくれるのです。
分画物は脂肪酸組成が変わっています。
一般の方向けに売られているショッピングサイトや説明では
分画なんて堅苦しい言葉を見かけることがないですが、
水添、ウィンタリングなどは時々見かけます。
それぞれの良さがあり、使い分けるといいでしょう。
でも石鹸を作ったり、手作りコスメをされる方に取っては
テクスチャが大きく変わったりするので、
覚えておくと便利です。